ハルオノート

ちらうら。技術系だけど草稿だから信頼性はないよ。よろしくね。

手洗いの哲学

手洗いは日常的に行う行為でありますが、医療関係者の間では感染症の標準予防策の一つである手指消毒でもあり、新型コロナウィルス(COVID-19)感染症の予防策の一つであります。

 

3つの手洗い

感染症予防の観点において、手洗いは3種類に分類されます。

日常的手洗い

日常的手洗いは、手についた汚れを落とすために行う手洗いです。

衛生的手洗い

衛生的手洗いは手を介した病原体(細菌・ウィルスなど)の感染を防ぐために行います。医療行為においては、「1処置1手洗い」が原則であり、医療関係者は何かを行う度に衛生的手洗いを行います。

手術時手洗い(手術前手洗い)

手術時手洗いは手術を行う際に行う手洗いです。手についている細菌・ウィルス等がほぼゼロになるように消毒を行います。

 

厚生労働省の推奨する方法

厚生労働省のサイトに手洗いのポスターと動画が紹介されています。

[手洗いポスター]

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf

[動画]

www.youtube.com

手洗いポスターを自宅の洗面台の横に掲示し、厚生労働省の手洗い方法を実践することをおすすめします。この方法は衛生的手洗いの方法です。

 

100分の1作戦

京都大学で動物のウィルスの研究をされている宮沢考幸准教授は感染リスクの軽減と経済対策の両立をするために「100分の1作戦」を提唱されています。衛生的手洗いを頻回行えない場合は「100分の1作戦」の検討をしてみてください。

[Abema TV - 宮沢准教授出演回]

abema.tv

引き算の発想

神戸大学感染症専門家である岩田健太郎医教授は、感染症対策において手指消毒が重要であると主張されております。

[東洋経済オンラインの記事]

toyokeizai.net

手洗いをすべきタイミング

手洗いをすべきタイミングは機械的に覚えるのではなく、手から目・鼻・口・傷口などの粘膜にウィルスを入れないことと、ウィルスを伝搬させないことを意識することが重要です。

マスク装着前・マスク装着後

マスク装着前、マスク装着後に手指消毒を行うことが推奨されています。ただ、これは医療関係者が実施しなければならない事項です(1処置1手洗い)。

実際にはマスクをマスクの箱や袋から取り出す時だけ手指消毒をすればOKです。都度マスクの装着・取り外しを行う時はマスクのゴムの部分だけを持って行います。マスクの裏(口に接触する面)を机などにつけないように気をつけます。マスクを外している時にどこにマスクを置くのかについては少し気をつけたほうがいいです。マスクの裏が露出しないようにマスクを折りたたんでポケットの中に入れておくのがおすすめです。机に置く場合は、その机を一日に一回拭いておく必要があります。マスクの表に大量のウィルスが付着してしまった場合には呼吸によってウィルスがマスクの表から裏に移動することが懸念されるためです。

マスクの廃棄後

マスクは物品ではありますが肺と外界の間に挟むフィルターでもあるので通常の物品よりもウィルスが付着している可能性が高いことに注意してください。マスクは小さなポリ袋のなかに捨てます。それを一般的なゴミ袋のなかに捨てます。マスクは薄いので小さなポリ袋がいっぱいになったときに一般的なゴミ袋のなかに捨てればOKです。使用後のマスクを小さなポリ袋の中に入れた後は袋の口を軽く閉めます。この操作により手がウィルスに汚染されている可能性があるので、マスクの廃棄後には手指消毒を行います。

鼻をかんだ後

鼻をかんだ際、鼻水にウィルスが付着している可能性があります。なぜならば新型コロナウィルス(COVID-19)は無症状者がウィルスを放出している懸念があるためです。そのため、鼻をかんだ後は手指消毒を行う必要があります。これにより、自分がウィルス感染者であっても周りの物品にウィルスを付着させる可能性を低く抑えることができます。

食事の前

食事の前には必ず手洗いを行います。食事は通常、はしやフォークなどを用いて行うので安全ではあるのですが、食事の時はマスクを外し、手を用いるので2重防護の意味で手指消毒を行います。

手でつかんで食べる時

おにぎりサンドイッチなど、手でつかんで食べるものについては、食事中に手指消毒を行います。これは携帯用かプッシュタイプのハンドジェルで行います。この手洗いは食事前の手洗いよりも重要です。特にお菓子は手でつまんで食べることが多いので注意です。

食事の後

食事の後に衛生的手洗いを行う必要はあまりありません。日常的手洗いで十分です。

トイレの後

トイレの後は常識的な観念において手洗いを行っているはずです。感染予防の観点で言うと、トイレは共用部であり人間が出した汚物や水しぶきなどで汚れています。他の空間よりも不衛生でありウィルスが付着している可能性も高いです。従ってトイレの後には手指消毒を行います。トイレ内のウィルスを他の空間に持ち出さないという意味で重要です。

手が汚れた時

一般的に手が汚れた時は日常的手洗いを行えば問題ありません。

建物に入る前

職場やスーパーなどの店舗などに入る際は、その建物の入口にある消毒液で手指消毒を行います。これは、ウィルスをその建物に持ち込まないという意味で重要です。建物の入口に消毒液がなく、特別な注意などもない場合は手指消毒を行わなくて結構です(消毒液の費用は建物の側で負担すべきです)。

建物から出る時

職場やスーパーなどの店舗などの建物から出る時も、その建物の入口にある消毒液で手指消毒を行います。これは、ウィルスをその建物から持ち出さないという意味で重要です。ただし、店舗のはしごをするなど、すぐ消毒を行うことが確定的であれば行う必要はありません。病院など感染リスクの高い建物から出る時は必ず手指消毒を行います。

外出後

外出後には必ず手指消毒を行います。そのために玄関にアルコール消毒液を置いてください(直射日光による発火に注意)。これは自宅にウィルスを持ち込まないという意味で重要であり、必須です。

外出後は手指消毒の他にシャワーをあびるか顔を洗う必要があります。顔に装着しているマスクが呼吸によってウィルスを引き寄せるためであり、顔はウィルス感染の懸念のある箇所が多い(目・鼻・口)ためです。

寝る前

就寝前には必ず手指消毒を行います。寝ぼけて目をこすってしまうことがあるためです。

 

飲食の際に気を付けなければならないこと

飲食はウィルスとの接触のリスクが高いので手指消毒以外にも気をつける事項があります。

床やテーブルに落とした食べ物を食べない

これは常識なのであえて言う必要はありませんが、ウィルス流行時期には特に気をつけてください。ウィルスは下に落下します。

缶コーヒー・ストロー付きペットボトルは消毒する

ペットボトルは飲み口がフタによって保護されています。したがってペットボトルの外側にウィルスが付着していてもウィルス感染の可能性は低いです。ただし缶コーヒーは飲み口がむきだしになっているため、飲む前に飲み口をアルコールスプレーで消毒するか、缶を中性洗剤で洗います。ストロー付きペットボトル(マウントレーニアなど)も、ストローを取り出し・組み立てを行う際にストローなどにウィルスを付着させる懸念があるのでアルコールスプレーで消毒するか中性洗剤で洗います。

ゾーニングよりも外装パッケージの消毒のほうが効果的

医師でYoutuberであるDr. ハッシーさん(橋本将吉医師)が食事の時にゾーニングを行う方法を実践されておりますが、食事の際にはゾーニングよりも外装パッケージの消毒のほうが効果的です。エタノールスプレー・イソプロパノールスプレー・次亜塩素酸水などで消毒を行えば素早く終わるでしょう。

[勝手に入ってくるのは、本当にやめてください。 - Youtube]

www.youtube.com

手荒れ対策(ハンドケア)

頻回衛生的手洗いを行うと手が荒れます。なぜならば手から皮脂や水分が抜けていくためです。手荒れがひどくなると小さな切り傷などを作って、手洗いを行っても逆に感染リスクを高くしてしまうという問題があります。これを防ぐためにハンドケアを行います。ちなみに頻回衛生的手洗いを行っても手荒れが発生しない人はハンドケアが不要です。

ハンドケアは基本的にハンドクリームを塗ることで行いますが、ハンドケアは手指消毒に比べて難しいです。人によって、その人に合ったハンドケアの方法は異なるためです。ハンドケアがどうしてもうまく行かない場合は100分の1作戦を実践してみてください。

下記の動画が参考になるかと思います。

[新型コロナウイルス感染対策『その手荒れ、感染リスクですよ!ケア方法はこれです』【感染管理認定看護師が伝える感染予防策】 - Youtube]

www.youtube.com

[Yagoto RedCross News[八事日赤ミニレクチャー]感染対策室 看護師がお勧めするハンドケア - Youtube]

 

www.youtube.com[Yagoto RedCross News[患者さんのためのミニレクチャー]感染対策室 手洗いの効果どう判定する? - Youtube]

www.youtube.com

爪の手入れは手洗いに先んじる

爪が伸びていると手洗いを行っても爪と指の間の汚れは取れません。私は爪先の白い部位が0〜1mmになるように爪切りをしています。この白い部位の境界はなだらかな曲線にならないときがあるのでわざと少しなだらかになるように切っています。

 

手洗いチェッカーは不要

手洗いチェッカーはお買い求め頂く必要がありません。それよりもこまめに手洗いすることのほうが重要です。どうして不要かという理由を述べます。

みなさん、書道や水彩画をしたことはあるかと思います。その時手が墨や絵の具で汚れますが手洗いしてもどうしても取れない部分があります。爪と指の間で、指先が上だとすると爪の下と左右は洗い落とせないのではないかと思います。もちろん指先の爪と指の間も取りづらいです。これは爪の手入れである程度フォローできるということは上記に書かせていただきました。爪と指の間の汚れを取るには、本質的に爪ブラシが必要です。

従って手洗いチェッカーより先に爪ブラシが必要になります。常時爪ブラシを持参するほど手洗いを真面目に取り組むと大変なのであまりおすすめしないです。

 

腕時計は必要ですか?

手洗いの時に腕時計を外すのが面倒になります。時刻はスマートフォンで確認できませんか?職場に時計はありませんか?どうしても腕時計が必要なら懐中時計に変えることはできませんか?

※ナースウォッチはあまりおすすめしません

 

ハンカチはできればハンドタオルに

ハンカチの代わりにハンドタオルを使うことをおすすめします。頻回手洗いをするとハンカチはすぐ水浸しになります。1枚150円くらいで買うことができます。また、ハンカチ・ハンドタオルは毎日替えるよう気を付けてください。

 

ハンカチと他のものは分ける

私はハンカチ(ではなくハンドタオルなのだが…)は右のポケットに、スマートフォン・小銭入れなどは左のポケットに入れています。そうしないと手洗いの効果がうすれます。また、ハンカチを入れる前にポケットの布(引っ張って外に出せるはず…)を消毒すると効果的です。

 

必ずしもペーパータオルは必要ではない

ペーパータオルは不経済です。衛生的手洗いの時に蛇口をペーパータオルで閉めるやり方がありますが、米国疾病予防管理センター(CDC)ではペーパータオルの使用を推奨しておりません。私は、可能であれば、手洗いのときに蛇口にハンドソープの泡を付けてすすいでいます。

While some recommendations include using a paper towel to turn off the faucet after hands have been rinsed, this practice leads to increased use of water and paper towels, and there are no studies to show that it improves health.

www.cdc.gov

公共の手洗い場は混むので日常的手洗いとハンディアルコールジェルを併用する

職場のトイレ・炊事場や、その他店舗のトイレは混むことが多いです。これは必然なので予防策を必要があります。トイレの手洗い場では流水だけで手洗いを行い、衛生的手洗いを行いたい場合はトイレを出てからハンディアルコールジェルで手指消毒を行います。

 

結婚指輪はどうすればいい?

既婚者でも結婚指輪をしていない人が多いらしいのでしないほうがいいかもしれません。どうしてもしなければならない場合はパートナーと相談してフェイクの安くて手洗いしても問題ない指輪を用意することをおすすめします。スミマセン、私独身なので既婚者の人同士で相談するのがよろしいかと思います。